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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
―蝶!?
 美咲は愕きのあまり、声を上げそうになった。長月の半ばとて、まだ蝶を見かけたとしても別段不思議ではない。しかし、このような夜分に、それも蒼い蝶が飛んでいるとは、いかにも面妖ではあった。
 蝶はひらひらと実に優雅に美しい模様の入った羽根をはためかせている。この不思議な蝶は一体―。
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