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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
その言葉に、美咲は頷く。
山頂から少し山道を降りた先に、川が流れていたのは確かであった。美咲自身、あの川のほとりに座って、清らかな水を両手に掬っては夢中で飲み干した。ほんのり甘さのある川の水は疲れ切った美咲の身体と心を幾ばくかでも癒やしてくれたのだ。
あの川は見た目は流れも緩やかに見えるけれど、実際は意外に急流で深みもあるように思えた。あのような川に身を投じたとすれば、生命はなかっただろう。そんなことを考えていると、ふいに尼君の声が耳を打った。
山頂から少し山道を降りた先に、川が流れていたのは確かであった。美咲自身、あの川のほとりに座って、清らかな水を両手に掬っては夢中で飲み干した。ほんのり甘さのある川の水は疲れ切った美咲の身体と心を幾ばくかでも癒やしてくれたのだ。
あの川は見た目は流れも緩やかに見えるけれど、実際は意外に急流で深みもあるように思えた。あのような川に身を投じたとすれば、生命はなかっただろう。そんなことを考えていると、ふいに尼君の声が耳を打った。