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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
山を下りた美咲はその夜は、村の入り口にある辻堂で一夜を明かした。弘法大師が祀られているらしいその小さな御堂は、こじんまりとはしているけれど、人ひとりが横になれるほどの空間がある。
空海とも呼ばれる弘法大師は真言宗の開祖として今なお多くの信者に慕われている。御堂には大師の小さな木像が安置されていた。その尊像に顔を向ける形で背を丸めて横になった途端、長旅の疲れからか、すぐに猛烈な睡魔に見舞われ、美咲は深い眠りの底へと落ちていった。
空海とも呼ばれる弘法大師は真言宗の開祖として今なお多くの信者に慕われている。御堂には大師の小さな木像が安置されていた。その尊像に顔を向ける形で背を丸めて横になった途端、長旅の疲れからか、すぐに猛烈な睡魔に見舞われ、美咲は深い眠りの底へと落ちていった。