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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
 だが、今はそのようなことはどうでも良かった。江戸を離れたこのような山の村まで自分が来たのも、やはり運命(さだめ)に導かれたのだとしか思えない。
 美咲の胸に熱いものが込み上げる。
 道端には、ここでも萩の花が今を盛りと咲いている。純白の可憐な花を一杯につけた穂が地面に届きそうなほどにしだれていた。そ%
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