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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第11章 《巻の壱―予期せぬ災難―》
「おっ、気が付いたか?」
 見たこともない男の顔だった。否、どこかで見たことがあるような気もする。
 男は上背があり、陽に灼けた精悍な顔立ちをしていた。泉水のよく知る男に似ているようでもあり、全く似ていないようにも思えた。
 男の顔にはあからさまな喜色が溢れていた。
「良かった、医者は五分五分だって言ってたから」
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