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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第11章 《巻の壱―予期せぬ災難―》
「無理するな、ゆっくり思い出せば良い。お前を診た医者ってえいうのは、同じ長屋に住んでる先生なんだ。飲んだくれの老いぼれだが、腕だけは確かでな。後で連れてくるから、ゆっくりと相談しても良いんじゃねえか。―お前、泣いてるのか」
 誠吉は泉水の涙を見て、衝かれたような表情になった。
 短い沈黙があった。
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