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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
「お願い、迎えに―」
 呟きかけて、泉水は目覚めた。
「おい、大丈夫か?」
 声をかけられ、ピクリと身を震わせる。
 恐る恐る振り向くと、淡い闇の中に誠吉の不安げな顔が浮かんでいる。
「ごめんなさい、起こしてしまったんですね」
 泉水は小さな声で謝った。
 夜は当然ながら、二人は枕を並べて眠ることになる。とはいえ、誠吉は最初に言ったとおり、泉水には指一本触れようとはしなかった。
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