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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
「もう無理に思い出そうとするのは止めろ。お前は今のままのお前で良いじゃねえか。たとえ、昔、どこで何をしていた人間であろうと、どういう名前だったんであろうと、今、お前はここでこうやって暮らしてる、生きている。それだけで良いんじゃねえのか。生きてる限り、お前の前には無限の未来がひろがってるんだぜ。いつまでも思い出せねえ過去にこだわって苦しむより、これから先を見つめて生きていった方が良い」
「―」
 泉水は無言であった。
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