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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
 背中だけ向けて言い、誠吉はほどなく軽い寝息を立て始めた。
 泉水もまた薄い粗末な夜具に身を横たえたが、眠りはいっかな訪れなかった。
―お前がどこの誰かなんて、俺にはどうでも良い。新しく生まれ変わったつもりで、俺と生き直しちゃくれねえか。
 耳奥で誠吉の言葉が幾度も蘇った。
 どうしよう、どうしたら良いのだろう。
 泉水の眼にまた新たな涙が溢れた。
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