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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第13章 《巻の参―驟雨―》
 いつしか、見果てぬ夢を思い描いていた誠吉は、おさよの声に我に返った。
「今夜は大根の煮付け、誠吉さんの好物でしょ」
「そうか、そいつは愉しみだな。料理の方も代分腕を上げたものな」
 丹精込めて作り上げた夕顔のかんざしを贈ってから、十日近くが過ぎている。
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