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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第13章 《巻の参―驟雨―》
「簪を変えたのか?」
 訊ねられ、泉水は頷いた。
 誠吉が泉水の黒髪にそっと触れる。その大きな手のひらが桜の玉簪を抜き取った。
「たまには違う簪も良いかなと思って。でも、季節外れだから、やっぱり変かしら」
 泉水が肩をすくめると、誠吉は自らが作った簪を掌にのせ、凝視した。
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