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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第13章 《巻の参―驟雨―》
 泰雅の泉水を抱きしめた手に力がこもる。
「ごめんなさい、ごめんなさい―」
 号泣する泉水の艶やかな髪を、泰雅がそっと撫でた。
 やっと帰ってきたのだ。自分の居場所に。良人泰雅の傍、何より安らげる場所に。
 泰雅の腕にこうして抱かれていると、まるで親鳥の翼に守られている雛のような安心感に包まれる。
「良かった」
 心からの安堵の滲んだ声に、ふと顔を上げると、泰雅が静かに見下ろしていた。
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