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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第15章 《巻の壱―幻―》
 一方、相手の泰雅の方についても、やたらと芳しからぬ噂がついて回っていた。〝稀代の好き者〟、〝無類の女好き〟、泰雅に関しての風評は色々あったが、いずれもが病気と称されるほどの泰雅の女好きを指すものであったといえよう。とにかく、美しい女、色っぽい女と見れば口説かずにはおれない性分のようで、屋敷内の腰元だけでは足りず、町へ出ては武家娘、町人の娘と問わず片っ端から手を付けていた。
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