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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第15章 《巻の壱―幻―》
「お前は本当は優しくて、大人しい子なのよね? もしかしたら、あの坊やと一緒に遊びたかったんじゃない? だったら吠えたりしないで、ね?」
 まるで人間の子どもに言い聞かせるような口調で語りかけている中に、次第に犬が大人しくなってきた。唸り声が止み、尻尾をくるんと巻いて、しきりに振り始めた。
「良い子、私の言葉が判ったのね。ありがとう、ご褒美にこれを上げましょうね」
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