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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第15章 《巻の壱―幻―》
 僧が御堂の扉を開ける。ギィーと軋んだ音が響き、ひとすじの光が小さな堂に入り込んできた。それは、今の泉水には、あたかも現(うつつ)と夢、あるいは、彼岸と此岸をつなぐ、たったひとすじの光のようにも思える。
 その細い光に照らされた僧の横顔に、泉水は息を呑んだ。秀でた形の良い額、頬から顎にかけてのなだらかな線、そして何より、澄んだきれいな瞳。
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