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Only you……
第4章 明 2

それは“寂しい”という感情とは、また違ったものだと思う。
オレは寂しいから眠れなかったんじゃない。怖かったから眠れなかったんだ。ホラー映画を見た夜のような恐怖。それが我が身に起きるのではないかという恐怖。そんなものに凄く似ていた。
オレが恐れているのは、麻都がいなくなること。それは別に死や生き別れなんかを意味するわけではない。心の距離が離れることを意味するのだ。今、本当に心が繋がっているかどうかは、オレには分からない。けど、離れていると判断するほどでもない。それが今の状況だと思う。
――これ以上離れるのが怖かったんだ。
――なぜかって?
――それは勿論、今縋ることが出来る唯一の人間だから。
それ以上もそれ以下もない。麻都には悪いが、これは恋愛感情なんかではないと思う。見捨てられるのが怖いだけ。そうに違いないから。だから麻都の気持ちには応えられない。
――でもそんなこと言ったら?
――麻都はもうオレを傍にはおかないだろう。
――そうすれば、また独り……。
そんな考えが頭の中をぐるぐる巡った。何度も何度も、飽きるほどに。それでもそんな考えから、オレは離れられない。多分何年経っても、こんな感情を抱きながら人と接していくんだろうと思う。
オレは寂しいから眠れなかったんじゃない。怖かったから眠れなかったんだ。ホラー映画を見た夜のような恐怖。それが我が身に起きるのではないかという恐怖。そんなものに凄く似ていた。
オレが恐れているのは、麻都がいなくなること。それは別に死や生き別れなんかを意味するわけではない。心の距離が離れることを意味するのだ。今、本当に心が繋がっているかどうかは、オレには分からない。けど、離れていると判断するほどでもない。それが今の状況だと思う。
――これ以上離れるのが怖かったんだ。
――なぜかって?
――それは勿論、今縋ることが出来る唯一の人間だから。
それ以上もそれ以下もない。麻都には悪いが、これは恋愛感情なんかではないと思う。見捨てられるのが怖いだけ。そうに違いないから。だから麻都の気持ちには応えられない。
――でもそんなこと言ったら?
――麻都はもうオレを傍にはおかないだろう。
――そうすれば、また独り……。
そんな考えが頭の中をぐるぐる巡った。何度も何度も、飽きるほどに。それでもそんな考えから、オレは離れられない。多分何年経っても、こんな感情を抱きながら人と接していくんだろうと思う。

