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11月の雨
第3章 岳裕
俺の背中に、俺の女神が触れてくる。
慰めているつもりなのか
イライラしてる俺を。

真意なんてわからない。
ただフェラの続きをさせた。


(雨が怖い
  雨が少しづつ 蝕んでいく。
  俺の家を 屋根を 俺の世界を

  外界のいっさいはマヤカシだ
  常識も 歴史も 教義も 何もかも

  家が無いと
  家が無いと 飲み込まれちまう)

緩々と 僅かずつ

蓄音機から響く
甘ったるいメロディーが
気持ちを、宥めてくれる。

俺の女神が
喉を使って 搾りたてて
快楽へと、導いてくれる。

これこそが、必要なんだ。

この家には 二人っきりだ。
これ以上他者なんて必要ない。

必要なのは、二人の永遠なんだ。

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