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第3章 疑惑の旦那様

猫の舌はザラザラしていて少しだけ痛いけど、その行為に優しさを感じてジンとした。


敏さんの笑顔。――――私の敏さん。


敏さんが帰って来たら、思い切って聞いてみよう。
浮気とは限らないし、すぐ決めつけちゃダメだよね。

愛情を一杯、一杯込めて、敏さんの好きなシチューを作った。
ホワイトソースの優しい匂いが、私の鼻と心に拡がっていく。

泣いたって解決しない。
そう思い、私は滲んだ涙をそっと拭った。