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恋のリサーチ
第4章 はじめて・・


歩きながら、かすかに腕がぶつかると

その都度腕から心臓にむかって熱が走った。

こんなに近い・・

彼の体温すら伝わってくるような・・

体の中心がズキズキ痛むの・・なんで?



「天気好くてよかったな」



ボーっとしていた頭に聖夜の声が響き、

私は正気を取り戻した。



「そうですね・・あ、聖夜さんも

 当たり障りない話もするんだ。なんか、意外!」


「あ?意外だぁ?ホストってのはなぁ、どんな話だって

 できんだよ。ねーちゃんオバちゃんから年寄りまで

 オールマイティーよ」



私を見下ろす視線はまさしく上から目線。

見上げてもすぐに逸らしてしまった私。

だって、笑いがこらえられなくて・・



「なんで笑ってんだよ!」


「いえ、別に・・あ、こっちこっち」



彼の顔にばかり目がいっていて、

あやうく曲がる路地を通り過ぎるとこだった。


チョンと聖夜の肩を押し、方向変換。

車通りから細い路地へと導いた。




家と家とが寄り添うようにして立っている。

その間をスジを書いたような細い道が折れ曲がる。

空間に広がりがないせいで、

歩きながら体が聖夜のほうに寄っていってしまう。

聖夜も寄り添うようにして私に歩を合わせる。



目的のカフェの前でぴたりと立ち止ると、



「ここ?はぁ・・」



だらんと口を開けて聖夜は、

2階建ての古い木造の家を見上げていた。



「中に入ってからボロ屋なんて、

 ゼッタイに言わないでくださいね!」



念を押すつもりで聖夜の腕を揺さぶる。

自然と彼に触れることができて・・うれしい・・



「はいはい、心得ました!」



そう言うと自分のほうが先にたって店に入った。


もったりとした口調の店員さんに、

2人です、と彼が告げると、

坪庭に面した縁側の席に案内された。





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