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恋のリサーチ
第6章 夢にむかって・・

「えっ?なんで私のこと・・?」



私まで甲高い声をだし、目を見開いた。



「紺ちゃん、ですね?」


「ええ、あの、紺野です。

 でもどうしてわかったんですか?っていうか、

 どうして知っているんですか?」



口を半開きにして彼の答えを待った。



「聖夜さんから聞いてます。

 紺ちゃんっていう地味なOL風の女が訪ねてくるだろうからって。

 そしたら遊んでってもらえって、

 聖夜さんから言われてるんで。まぁとにかく

 話も含めて・・こちらへどうぞ」



そう言って私の背中を押すが、

踏ん張って動きを止めた。


一応覚悟して、お金は持ってきた。

5万円。

これじゃあ足りないのかな、お酒一杯飲んで帰るなら

間に合うかな、と不安だらけだが、

クレジットカードも持っている。

いざとなったらお金をおろしにコンビニへ走ればいい。


だけど聖夜もいないのに、どれだけ遊ばされるのか考えると

席にはつけない。

ためらっている私に、男は笑顔で告げる。



「御代は聖夜さんから頂いてます。っていうかいただきます。

 だから安心して遊んでいけって、聖夜さんからの伝言です」


「は、はぁ・・」



しぼんだ声を出した私の背中をそっと押し、

きらびやかな店内へと案内する。

いらっしゃいませ!

うるさいぐらいの大きな声でイケメンたちから迎えられると、

悪いことしてないのにすみません、とつぶやいてしまった。



店の真ん中あたりの壁際の席に座り、

キョロキョロと店中を見渡した。

クリスタルのシャンデリアの光に反射が生む輝き。

鏡が張り巡らされた壁には幾重にも人や物が映し出される。

音楽は、想像したよりはうるさくない。

少し大きな声で会話するくらいで済むようなボリュームだった。

それもジャズ。

心地よく会話が弾みそうだと思えた。


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