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顧みすれば~真の愛~
第19章 それぞれの愛
「まあな。見抜かれた気がしたよ


 その彼女がずっと気になって

 探したんだがまったく姿を現さなかった」


直哉の表情が少し曇る


「で、その彼女とこの彼女がどう繋がるんだ?」


「ん...」


直哉は言葉を濁した。


「分からない。


 勘かな。

 彼女に何度カマを掛けても

 絶対に違うというんだ」


直哉は眠り続ける彼女を見つめた。


「本当はもうわかっているんだ。


 彼女が彼女だってこと」


「なら」


「ん...でも、彼女が隠し続けるってことは

 何か理由があるんじゃないかと思ってね」


「理由?」


「俺に知られたくない理由

 だから、もう聞かないことにした。


 聞かないことにするってことは

 彼女と彼女は違う人物だと認めることだ

 それは彼女にはもう近づかない方が

 いいってことかな」


直哉はどこか自分に言い聞かせているようだった。


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