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顧みすれば~真の愛~
第20章 穏やかな時間
王子は毎日病室へ来て
いろいろな話をしてくれた。

子供の頃に飼っていたペットの話やちょっとドジな使用人のこと、二人の頼もしい弟の王子たち。

なるべく私を楽しませようと事件に絡むことには一切触れなかった。



王子はほとんどの時間を私の病室で過ごしていた。


「王子、公務もお忙しいのではないですか?

 私のことはおきになさらずお仕事をされてくださいね」


私はずっと気になっていたことを口にした。


「大丈夫。君が寝ている間に仕事はこなしている」


「でも、それでは王子が体調を崩されてしまいます」


「いいんだ。どうせ君と離れていては夜も眠れないんだから」


王子は優しく微笑みながら目をそらさずにそんな台詞をさらりと言う。


なにも言葉が返せない。


私は恥ずかしくて目をそらす。


すると王子は私の顎を持ち上げて

kissをした


「こんなに好きな気持ちが君にちゃんと伝わっているかな?」


そんな甘いマスクでそんな甘いことさらりと言わないで下さい。
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