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顧みすれば~真の愛~
第20章 穏やかな時間
ふと私の手元を見る


「貸して」

私が持っていたスプーンを取り

私の口許へ食事を運んでくれる

「さ、口を開けて」

私は言われるまま口を開けて
王子に食事を食べさせてもらった。


大人になって人に食事を食べさせて貰うのがこんなに恥ずかしいとは思わなかった。


「君が食事をしているなんて

 とても嬉しいよ。

 早くもとの体に戻るといいね」

そういって優しく微笑む王子は
昔読んだ少女漫画のバラを背負った王子

子供心にあり得ないと思っていた
風景が目の前できらびやかに展開されている


私は王子に目を奪われていた


微笑んだ王子はスープをひとくち自分の口へ入れると
私の唇を塞ぎ
口移しでスープ飲ませてくれる


「どう?ちゃんと飲めた?」


あり得ないシュチュエーションに
私は固まった

「大丈夫?
 僕の愛も注ぎ込んだから

 すぐに良くなるよ」


もう、どうしていいか分からない。


私、日本人なんでリアクション出来ません。
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