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第21章 実力者たち

王は二人に歩みより

部屋にはいるよう促した。


二人が部屋にはいってきても

王は腕組みして天井を見上げていた。


何をどう話すべきか

王ですら悩んでいた。


口火を切ったのは和服の女性だった。


「サハド様、何があったのです？

　話してくださいませんか？」


驚いたことに女性はきれいな英語を話した

王はゆっくりと視線を女性に合わせた。


「彼女は妊娠してしまったようなんだ

　そして先程　流産した」


「妊娠？」


女性は眉を動かした。


「本当に申し訳ない。

　犯人はバドルだ。

　先程も申し上げたが

　彼はもう処分した」


「それで？」


女性の声は凍るほど冷たい。


「彼女は流産をきっかけに子宮から

　大量出血をおこし　


　かなり危険な状態だ」


王は唇を噛み締めた。


「それで？」


女性はさらに冷静に冷たくいい放つ


「...彼女を助けるには

　子宮を摘出するしかないそうだ

　あなたにその承諾を得たいと

　ドクターが申している」


王は探るように女性の表情を伺った。