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第28章 恋人の時間

今日はチューリッヒのホテルに泊まり


明日は飛行機に乗って

久しぶりの日本へ向かう


「明日送らなくて大丈夫？」


総一郎さんは心配そうに声をかけてくれる。


「ホテルからリムジンバスが出るから大丈夫」


「そっか。

　成田には父さんが迎えに行くらしいよ」


「おじさまが?!

　山下財閥の社長が迎えに来たら

　ビックリされちゃうわ」


「父さんがきかないんだよ。

　年寄りの我が儘きいてあげて」


私たちは顔を見合わせて笑った。