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顧みすれば~真の愛~
第32章 失われた時を
「あみちゃん...」


振り向いたサトシママと目があった。


「紗英?!」


驚いた直哉さんの声がする。


私は隠れることもできず

立ちすくんだ。


ヨロヨロと立ち上がった直哉さんが


近付いてくる。


私は一歩ずつ


後ろへ下がる。


「紗英 紗英」




あの時が甦る。


酔って焦点の定まらない直哉さん...



近付いた直哉さんが私に触れようとする




「いやーーーーー!!


 来ないで!!!!!」




私の口から出た言葉は


私の予想だにしていなかった


言葉だった。

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