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オモチャのチャコちゃん
第12章 いい湯、旅立ち
押し合いへし合いの末、千夜子の脚を抱えた勝者は老人会では一番若いマツこと下川松吉であった。

「覚えとれよ、マツ!」
という外野の罵声も、期待に胸と鼻の穴を膨らませる松吉の耳には届かない。

「さ、さあチャコちゃん、わしが飲んであげるからオシッコ我慢しなくていいよ」

「えッそんな…できません!」

驚いて脚を閉じようとするが、骨ばった細腕は意外と力強くて千夜子の抵抗を許さなかった。




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