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第12章 いい湯、旅立ち

しかし、
「…やっぱりダメだ。止めてくれ、お嬢さん」
達彦はタメ息を吐く。

「なにか、お気にさわりましたか？」

「いや…お嬢さんが悪いんじゃないんだよ」

不安げな千夜子を安心させようとしたつもりが、
「いえ！もしかしたら先生も、裏辺さんのお兄さんと同じことが気に入らなくていなくなってしまったのかもしれないですし！どんなことでもしますから、何でも仰ってください」
彼女は落ち込むどころかヤル気満々だった。