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第13章 幸福の父子

頭を抱えたいのは戸泥も同様だ。
どうしたらこの場を上手く収めることが出来るだろう？

気まずい沈黙の中で、
「…んでだよ」
有作のブツブツ言う声がだんだん大きくなる。

「俺なんかＡＶの撮影に呼ばれてやっと一回ヤれただけなんだぞ！なのに何でこんな情けねぇ禿げオヤジがチャコちゃんとイチャイチャしてんだよ」

「おじさんは情けなくなんてありません！」


怒鳴りだした有作を、薬箱を抱えて戻ってきた千夜子が一喝した。