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第21章 　重なる

俺の舌についてくる、彼女のそれ。
たどたどしくも、必死に俺に応えようとして。


――そのとき。


はらりと、彼女の身体に巻かれていたタオルが少し。


「――――！」


ほぼ露わになる、胸元。
柔らかそうなふたつの膨らみ。
ピンク色の小さな乳首まで、見えた。

キスを続けながらも。
俺の心臓は激しく波打ち始めて。


「……ん、っあ……」


でもあおいさんは、それに気付いていない。
目を閉じて、 俺の肩を掴んで。
触れ合う唇に気持ちよさそうに甘い吐息を漏らしている。


たまらず、手が動いた。


「……っ……！」


びくんっ、と。
弾かれたように彼女は唇を離して。

視線を、下へと移す。

そして俺の両手が、彼女の両の膨らみにじかに触れているその光景を確認すると、慌てたようにその腕を掴んで。


「や……」


俺から目を逸らして、そんな言葉を呟く。


「……だめ？」


言いながら、優しく、撫でるように胸全体を手のひらでさするようにする。

ふにっ、と。
乳首から下側を軽く揉んだ。


「……っ」


首を振りながらも。
掴んでいる俺の腕に力なんてほとんど入ってなくて。


「あおいさん……キスして」


俺は彼女の胸に手を当てたまま動かさず、そう誘った。

潤んだ目で俺を見た彼女は、ごくん……と一度喉を鳴らして。
少し戸惑うような素振りを見せながらも、頬にかかった髪を片手でよけ、俺の唇に、その唇を静かに近づけ――――。