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暁闇
第21章  重なる


彼女の腰のあたりに巻き付いていたタオルに、手をかける。


「や……」


あおいさんが察して咄嗟に身を捩った。
でも、ただそこで絡まっていただけのそれは、すぐにはずれて。


「や――――……」


顔を手で覆ったまま、横向きの彼女。
腰のラインが……その、丸みを帯びたお尻のラインがとても扇情的で。
たまらず、すっ、とそこを撫でる。


「ひぁっ……」


彼女が仰向けに戻った。
その状態がどんななのかすぐに我に返ったのだろう、太ももを重ねるようにしてそこを隠そうとする。

けれど、その足のラインが余計に色っぽく見えて。

ごくり……と、思わず俺の喉が鳴った。


「……あおいさん」


彼女の、顔を隠しているその両手首をそっと掴み、彼女の顔の横へと縫い止めるようにする。
少し力を入れただけでそうできたのは、彼女の抵抗は頑ななものではないということで。


「あおいさん」


頬を赤らめている彼女。
目を閉じて、横を向いて。

俺は彼女の両手に、指を絡めるようにして繋ぐ。


「……こっち、見てください」


顔を背けられているのは少し寂しかった。
俺を見て欲しかった。


「これ以上は……嫌ですか」

「――――……っ」


彼女はふるふると、首を振り。
静かに目を開ける。

やっぱり、俺の方は見てくれないけど。


「……恥ずかし……から……」


それでも、そう答えてくれた。


「こんな年、なのに……私、まだしたことなくて……」

「……うん」


分かってる――――そう、耳元に唇を寄せて囁いた。

右手を離し、彼女の髪を撫でる。


「俺……あおいさんがいっぱい気持ちよくなれるように頑張るから」


ちゅっ……と、そのままそこに唇を落とした。


「ん……」


ぴくり、と少し。
その身体が動いて。

そうしてようやく、彼女は俺を見た。



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