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第21章 　重なる

煽られた。
完全に、彼女に。
　
リードしていたのは俺のはずなのに。
たった一言で、余裕を一気になくさせる。


「は……あっ」


優しくしようと思っていたのに。
優しくしなくちゃと思っていたのに。

彼女の唇を貪りたい衝動に突き動かされて。
彼女の柔らかな膨らみをめちゃくちゃに揉みしだきたい衝動に襲われて。


「……っ、あ、んん……っ……」


その甘い声に、さらに煽られて。
彼女の口内をくすぐるように舌先で愛撫する。
必死で俺についてこようとする彼女。
たどたどしいそれは、だからこそ俺をさらに煽るのか。

両の手のひらは、彼女の両の膨らみを。
くにくにと揉み、親指でくりくりと突起を弄る。
少し柔らかくなっていたそこは、すぐにまた硬さを取り戻し。


「ふ……っん、ぅう……！」


びくんと身体を揺らすようにしながら。
それでも、俺の首に回された両手を離そうとはしなくて。


くちゅ、くちゅ……と。
絡める舌が奏でる水音に、酔わされる――――。