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暁闇
第22章  躊躇いの理由


……けれど。
ひとつだけ、ずっと気になってることがあった。


あれは、付き合って半年以上が経った夏の終わり。
彼女のアパートで夕食を食べながら丈と三人でいたとき。
彼と結ちゃんの話になって。


『付き合ってそろそろ一年ぐらい?』


そのあおいさんの問いに頷く丈。


『姉ちゃんと翔悟さんは?
確かクリスマスで一年だっけ?』


反対に、そう聞いてきた。
あおいさんを見ると、うん、と彼女も頷いてて。


『……続けば、ね』


それから、そう本当に小さく呟いた。
丈には聞こえなかったかもしれないけど。
実際、何の反応もなかったけど。
でも、隣に座っていた俺には。
      
咄嗟に彼女を見た俺の視線に気づいた彼女は、こっちを見て。
ん? と少し不思議そうに笑った。

俺には聞こえたことに、気づいていない様子で。




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