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第22章 　躊躇いの理由

その後――――。


俺とあおいさんは同棲について少し話し合った。


正直なところ、俺には彼女と一緒に暮らしたい気持ちは前からあった。

なぜなら、仕事が忙しいときは会う機会もぐんと減ってしまうし、会っていても帰る場所が違うというのはやっぱり寂しかったから。

ただ、彼女は丈と住んでいたし。
俺と一緒に暮らすという選択肢は今は多分ないだろうとも思っていた。


それが、ここにきて。
現実味を帯びた話になって。


付き合って一年経っても彼女への想いは少しも揺らいではいないし、これからも揺るがないと思えた。
だって彼女に対する信頼や安心感は時間と共に増すばかりだったから。
だから、一緒に暮らしたいとあらためて、そんなふうに。


彼女にも、その気持ちはあるようだけれど、俺よりはどこか消極的で。
どこがどう、というわけでないのだけれど。少し温度差を感じた。

それでも、俺に対する気持ちに揺らぎはないことは分かっている。

あおいさんは、正直だから。
その気持ちを疑うような出来事など、何ひとつなかったから。