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第23章 　優しさの連鎖

前、彼に言われたことを思い出す。


口にしてはいなかった私の想い。
彼には気づかれていた。


１年前のクリスマス。
翔悟くんのおかげで持てた、勇気。

お母さんとも、先生とも話して。
その罪悪感はもう持たなくていいのだと教えてもらった。

私は幸せになっていいのだと。
私の幸せは、私を好きでいてくれる人たちを幸せにするのだから、と。
私が自分を責めたら、その人たちは悲しくなるだけだから、と。
そう……教えてもらった。


それでも、つい考えてしまう、最悪の事態。

中学生のときのあの出来事以来、それはどうしても、私の考え方の癖として残ってしまっていた。

何も考えず行動した結果、引き起こした事態。
もうそんなことにならないようにしたくて。
それが、その考え方を生んだのだと思う。