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第23章 　優しさの連鎖

　

やがて入ってきたメッセージ。
もうすぐ着きます、と書かれていて。
ほぼ準備の終わっていた私は部屋から出た。

弟の部屋をノックして、声を掛ける。


「丈、あとはよろしくね」


すぐに内側からドアは開けられた。


「帰りは明日の夜だろ？　ごゆっくりー」

「お昼、結ちゃん来るんだっけ」

「ん」

「よろしく言っててね」

「りょうかーい」


そのタイミングで、着信音が鳴った。


「行ってくるね」


弟は、翔悟さんによろしくー、と言って。
閉まりかけた、そのドア。


……と。
それは再び開いて。


「姉ちゃん」


振り向くと


「26歳おめでと」


にっ、と笑う弟の顔。


「ありがとう――――」


嬉しくて、勝手に顔がほころんだ。