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第25章 　Epilogue

「……とうとう村上も結婚しちゃった……」


加奈が、そう言ってテーブルに突っ伏す。

私は困ったように笑いながら、彼女の前にコーヒーを置いた。

ソファに座る葉月くんにも、はい、とカップを手渡す。
彼も苦笑いをしながら、ありがとう、とそれを受け取った。


「……何で？」


ぽつりと、突っ伏したまま加奈が。


「ねえ、琴音！　何でかなあ！？」


弾かれたように頭を起こし、私を見て。


「何で私は結婚できないと思う！？」

「え？」

「そんなに高望みしてるわけじゃないのにぃー！」

「……まだ25歳だし、これからでしょ？」


そう言うと、加奈は頬を膨らませて私を見た。


「……早くして結婚した琴音に言われても説得力ないんだけどっ」

「そんなこと言うなら私に聞かないでよー」


もう、と苦笑いして、自分のカップを持ちながら加奈の向かいの椅子に座った。