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暁闇
第5章  終わらせる決意


「入社後、少ししてから同期の顔合わせみたいなかんじで飲み会があって。
……そこで私、中学のときの同級生と再会したんです。彼女、そこのお店で働いてて。代表で会計を済ませて店を出た私を追いかけて、声を掛けてきて」

「松下さんは気づかなかったんですか?」


俺の問いに、こくんと頷く。


「彼女も最初私に気づかなかったみたいだったんですけど、同期の人たちが私の呼ぶときの名字とか、名前とか。そういうの耳にして思い出したみたいで」

「ああ……なるほど」

「声掛けられたとき、桜井くんと和美……さっき会場で会った、あの子が私の近くにいて」


そこまで言うと、少し黙り込む。
グラスを口に運び、俯いてしまった。

何か、言いづらいことなんだろうか――――俺はそう察し、彼女に声を掛けた。


「あの……無理して話さなくても」


けれど彼女は小さく首を振る。


「ごめんなさい……大丈夫です」


そして再び口を開いた。


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