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暁闇
第27章  *おまけ*葉月と琴音*


「……化粧のせいだけ? 変に色っぽいのは」

「え?」


その言葉にまた鏡に視線を戻す。
葉月くんの口元は少し微笑んだまま。
伏し目で、もつ片方の手を使い、前髪をうるさそうにかきあげる。
そこからの、不意の上目遣い――――。


「――――っ……」


鏡の中の私を見るその目。
また、ふっと口元の笑みを深くして。


「外すの?」


そっとうなじに触れてきた、その指先。


「え? あ……うん」


手を前に戻し、俯いた。
うなじで動く彼の指先。
どきどきと、その動悸は止まらなくて。


「はい」


そして外されたパールのネックレス。
手渡され、それをケースにしまった。


――と。


背後にまだ、葉月くんの気配を感じて。
思わず振り向くと


「脱がせていい?」

「え?」


その言葉に私は戸惑う間も与えられなかった。
ぐいっと手が引かれ、よろけるように立ち上がった私のワンピースの背中のホックが外され、そのままファスナーも一気に下ろされる。



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