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第5章 　終わらせる決意

「……でも桜井くん。そんなふうに言ってくれて。
思わず私は『桜井くんそういう気持ち分かるの？』って聞いちゃって」

「……先輩は」

「桜井くん……わかるよ、って。
私のことだけ知ってるのは不公平かも、って思ったみたいで『内緒だけど』って教えてくれたの。
どうにもならない相手に、ずっと片思いしてるんだ、って。
……どういう相手なのかは、私もあえて聞かなかったけど。
告白しようと思ったことはないの？　って言ったら、だめだったときに今の関係が壊れる方が怖いから、って……そんなふうに言ってた」


俺は黙ったまま、酒をあおった。
少し強めの酒をオーダーし、それから松下さんを見る。
彼女も俺を見ていて、視線が合って。
その視線がゆっくりと逸らされる。