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第5章 　終わらせる決意

ふたりが付き合いだしてから、１年以上。
諦めようとしても諦めきれなかった部分がどうしてもあった。
桜井を目にする度に心は揺れ続けた。
どうして俺じゃだめだったんだと何度も思った。
もう本当にだめなんだろうか。少しの望みさえ持てないんだろうか。
……そんな想いが、彼女を諦めさせてはくれなかった。

桜井と先輩の、一番幸せな姿を目にすれば、もうさすがに諦められるだろう――――。
そう、思って今日ここに来た。
その姿を見、ふたりと言葉を交わして。
それでもまだ心にもやもやとしたものを感じていたそのとき……松下さんに会った。


そして、彼女がくれた言葉――――。


俺の想いは、無駄じゃなかった。
桜井にとって意味があるものだった。
そう……思ってもいいのだと、その言葉が教えてくれた気がした。



だったらいい。
もう……もうこれで終わりにしよう――――。