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知らなくってもいい性
第4章 妻の姿がない
妻の姿がない。

家に帰ると、いるはずの妻はいなかった。
車もないのだからどこかに出掛けたのかもしれない。

飯が作ってあると思ったのに。
拍子抜けだ。

出張だなんだとあれこれ理由をつけて、浮気相手の家に日曜も含めて三日間寝泊まりをしていた。

やっぱり若い子はいい。
一緒にいるだけでこっちまで気持ちが若くなる。

もう30も過ぎた。という気持ちもぶっ飛び、まだまだ30代!という気持ちになる。

あぁ、ユイちゃん!

まだまだ一緒にいたい。という気持ちを押さえて帰ってきたというのに。
「ご飯の用意して待ってるから。」と言っていた妻の姿はない。

「どこ行ったんだ?」

ユイちゃんと一緒にいて、飯だけは難点だった。

「せっかくだから、食べにいこうよ!!」

と料理の苦手な彼女はせがむのだ。
しかもつい見栄を張ってちょっと値段高めで俺のおごり。

なので、久々の家庭料理を楽しみに帰ってきた。
なのになんだこれ?

自分の浮気という行為など棚に上げてイライラが募る。

出掛けるなら出掛けるで、連絡ぐらいよこせよな!!

その時、ケータイが光った。

ユイちゃんからのメールだ。

「昨日楽しかったね♪次はいつ?」

オレはそのままユイちゃんに電話した。

帰ってないあいつが悪いのだ。

「ユイちゃん?オレオレ!
びっくりした?今から行っていい?
うん。全然OK !すぐ行くよ。」

置き手紙も何も残さず家を後にした。
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