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熱い夜、冷たい氷
第2章 冷える爪先、叶う希望
………来たよ、来たぁ。

身体中に染み渡る覚醒剤の力。
鏡子は、薬効の表れる渇いた口中を感じると、決まったという状態を改めて理解して興奮でゴクリと喉を鳴らした。


あぁ、嗚呼……!


戸惑いと期待が交差し、快感と悦楽の微睡みへと思いを馳せさせるに渡る微笑をクスと洩らした。

あたしも、決まってこんなカラダになっちゃって……ひとりだって、ホラ、悪戯したくなっちゃってさぁ……もぅ。


覚醒剤による性欲の高まりを知らなかった鏡子は、ある日開いてしまった快楽の世界へ踏み入り、以来抗えない興奮を少なからず感じてしまっていた。戸惑いが先立つ。


然し、硬直した乳首や溢れ出す愛液の熱する温度と快感を覚醒剤の吸引のみから味わってゆくと、愉悦の微睡みに浸りながら自分自身の身体を弄び始める……。


快楽を知り得た鏡子は、それまでの晴れやかな爽快感と引き換えにして、苦くも甘い蠱惑の毒によって触れてもいない身体の隅々、奥底まで浸透して快感に浸り始める最初の儀式めいたこのひとときをじっくりと、じりじりと、自らをなぶる様に焦らしながら自分自身を弄ぶ歪んだ嗜虐感に愉悦に昇華しようと小さく頷いた。


パートナーとのドラッグセックスの悦びを奇跡的に知り得た鏡子は、新たに自分自身を弄び始める悪戯に耽ることにも目覚め、それは唯一無二の悦びとして定着しつつあった……。


性に恐れを懐き続けて成長してた鏡子は、快楽という欲望が薬物と決別してたならば性欲を覚えずとも友人らと楽しめていたのではないか、と思い悩みながらの出会いを求め、それは不可能かと諦め自分だけ不具者だろうか?とまで自責してくる、始まりを知らない終わりを受け入れざるべき…其処まで辛酸を舐めてきたくらい重視しなければならない問題点だと思っていた。


息抜きし合える仲良しと出逢いたかった。
絶望的な日常生活を生きる鏡子が願った、希望の光として。


気兼ねなく話し合って、笑いこけ、和やかな温度に流れ落ちてきたくらいで充分であったけれども。セックスするのは。


薬物とセックスのみで成立するのが常識ならば、あたしは立ち入れないだろうか?
幾ら科学的な強力な作用を取り込みながらも、鏡子に欠落した性欲を覆す迄には至らなかった。


日常生活、密かな愉しみ。どちらにも居場所が無い時間が鏡子を厭世感に向かわせた。


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