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田園シンデレラ
第6章 レ
「明日。横浜に帰るわ」
「・・・・」
「石島課長代理に報告して、契約書が出来たらまた来るから確認して」
「・・・・」
「大体4~5日だと思うわ」
「送ってくれればいいよ。わざわざ、こんな田舎まで来る必要は・・・ない」
「―――そう」

そう会話した後、二人は一言も話さなかった。

何も言わずに家の中に入って
小さな声で「お休み」と言った。

昨日は祝福されているように感じた虫の声が。
「さよなら」と鳴いているようで。
布団にもぐって耳をふさいだ。

昨日はあの大きな身体に抱きしめられて安心して眠れた。

「一人じゃ寂しいよ。豪」

豪とセックスをした私が悪いのか。

何も分からない。
いきなり、契約してやるから帰れと言われた感じがする。

もう、これ以上ここにいたらお互いに辛いだけなのかもしれない。
あぁ・・・
辛いのは私だけか。

泣きつかれて寝た後に。
豪が部屋に入ってきて優しく髪をなでたのを私は知らない。
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