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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第16章 ♦Half MooN♦
国王―徳宗がひっそりと陽光の中に立っていた。戸惑いと混乱、恐怖が莉彩の眼の中を慌ただしく通り過ぎてゆく。その中に歓びがなかったことが、徳宗をどれだけ落胆させたかを莉彩は知らなかった。
「何故、私に子どものことを言わなかった!?」
王は怒りに端整な容貌を朱に染めている。
「私は、そなたに無情にも棄てられたと思ったのだぞ。聖泰が私の子であると何ゆえ、私に話さなかったのだ!」