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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第16章 ♦Half MooN♦

聖泰だった。五歳になって、幼児から幾分、少年らしい、しっかりとした身体付きになっている。同じ年頃の子どもよりは背は高い方に違いない。顔立ちは五歳よりは二、三歳は上に見えるほど大人びて、しっかりしていた。
彼は嬉しげに母親に報告しかけ、ハッとして見知らぬ男を見上げた。
その黒いあどけない瞳はどこまでも澄んでいる。曇りのない眼には当惑が浮かんでおり、全く見知らぬ赤の他人を見る眼に、王の胸にやり切れなさと哀しみ―、怒りが一挙に押し寄せた。
彼は嬉しげに母親に報告しかけ、ハッとして見知らぬ男を見上げた。
その黒いあどけない瞳はどこまでも澄んでいる。曇りのない眼には当惑が浮かんでおり、全く見知らぬ赤の他人を見る眼に、王の胸にやり切れなさと哀しみ―、怒りが一挙に押し寄せた。

