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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第16章 ♦Half MooN♦
「―はい」
莉彩は心細い想いで応えた。
それから徳宗が帰ってくるまで、莉彩には、まるで時計の針が永遠に止まったかのように果てしなく長い時間が続いた。
昏々と眠り続ける聖泰の枕辺で莉彩は一睡もせずに夜を明かした。
その朝、趙家の尚花が顔を覗かせた。
お見舞いのつもりなのだろう、手には野道で摘んだ白い花が一輪握られている。
「おばちゃん、これね。聖泰ちゃんが昨日、落としたんだよ」