この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夢
第14章 夢の夢
そして、一年が過ぎ、夢は晴れて医学部の学生となった…
…成人を一人で迎え…
大学以外は、バイトを掛け持ちしお金も貯めた。
…ミナミと別れて三年目…まだミナミを忘れていない…
…近づいてくる女に興味はない…
…ミナミ…
…もう、忘れたよな…
「相川 夢くん!!」
教授に呼ばれた。
「はい。」
「まさか、君が医学部に入ったとは…」
「…お前…」
「久しぶりだね!!」
「あん時のエロ教師…」
「はい…また君の教師になりましたね。私はあれからしばらく体を壊し、治療し教師に戻りました。君が退学になったことも聞きました。私もこの春から大学の教授になりました。妻の父親がこの大学の理事なんだよ。」
「へぇ…」
「夢くん…久しぶりに…相手してもらおうかな…」
「…ふざけんな!!」
「冗談ですよ!!君には、あの時に復讐しましたから…もういい…」
「復讐?」
「私の妻は当時中学の教師をしていた。私は妻に夢中で…浮気なんて、考えもしなかった。その妻が生徒の父親と不倫していると知って、頭がおかしくなった。その父親が夢くん…君の父親だ。」
「うそ…だろ」
「私は、妻の不倫相手に復讐しようとした…でも…君にしたんだ…」
「…そんな」
「妻はその後、別れてくれました、病気の私のそばにいてくれた。やっと幸せを手に入れた。君には悪いことしてしまいました。」
「…昔のことだ」
「医者を目指しているなんて…やっぱり父親の血を引き継いでいるんですね…」
「そんなんじゃねぇよ」
「家族と連絡とってないんですか?」
「必要ないからな…」
「君の父親は、院長になってますよ!!一度会ってきなさい」
「余計なお世話だ…」
「相変わらず素直じゃないな。でも頑張りなさい、君ならきっとなれるよ…素晴らしい医者に。」
「あぁ…」
「やっぱり父親と一緒で外科志望か?」
「いや……心療内科…」
「なるほど…なれるよ君なら」
「失礼します」
ますます医者になりたいと強く感じた夢だった