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第6章 ＊あなたとバレンタイン＊

「鈴香さん」

鳴海君が私の肩を掴んで身体を少し離す。
鼻水を啜る私の顔を覗きこむ鳴海君の瞳は予想に反して優しくて、止めようと思っても涙が止まらない。

「俺が鈴香さんを嫌いになるわけないじゃないですか」

「ッく…だって私…鳴海君の気持ちも考えずに…ぐすッ」

「俺こそ、みっともないヤキモチ妬いて、鈴香さんに愛想つかされたんじゃないかって気が気じゃなかったですよ」