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第14章 そして２人は・・ひとつになった

「あの焼き鳥屋でさ、

　深刻じゃない軽い不倫が大半なんじゃないかって言ってたけど

　そんなことないんじゃないかなって、

　ちょっと反論になっちゃうけど、思うんだ」


「え？」


「そりゃいるだろうけど・・

　軽い気持ちで寝ちゃう奴ら・・でも・・

　倫理に反する相手だってわかってても、好きになっちゃったら

　気持ちが進んでいっちゃうんじゃないかって」



自分の気持ちに重ねあわせて、

晴樹は説得するような口調で続けた。



「人を好きになる気持ちって、止められないでしょう？

　他人も、自分自身も。

　その先に超えちゃいけない線があるってわかってても、

　いや、だから余計にってなるんじゃないかな」



香澄は黙って晴樹を見つめ続ける。

あなたは何を言おうとしてるの？

その真意を読み取ろうと、ひたすら見つめた。


その裏側で、

自分の心の中を見通されたような気もした。


私は・・杉山さんのこと・・・